2018/3/14 水曜日

野鳥のヒナには手を出さない

Filed under: 動物 — yumi-sensei @ 13:09:59

あるタレントさんがスズメのヒナを保護し育てている様子をブログに投稿し、問題になっていますね。

法律と環境保全と情がぶつかり合い、簡単に結論は出せないでしょう。

 

私は獣医師であり、長く日本野鳥の会の特別会員になっています。野性動物や野鳥の保護活動も協力しています。

「野鳥のヒナは拾わない運動」にも参加していますが、毎年ヒナが巣立つ時期には、連日のように「ヒナを保護した」という連絡を受けています。

 
「保護」と「飼育」は違います。
どこまでが保護で、どこからが飼育か、一生懸命手をかけていると判断が難しくなりますね。
本来は一般の方が「保護」することも法律違反になります。まして「飼育」することは違法行為になってしまいます。
 
ヒナを見つけて連絡を下さるケースは多いですが、その90%は「誘拐」です。人が近づいてきた時に、多くのヒナは「フリーズ」します。小さくうずくまって動かなくなります。そのため「弱って死にそう」と勘違いされることが多いのです。
羽が生えていて出血やケガをしてなかったら、そっと元に戻して下さい。箱や巣などに入れたりせず、そのまま見つけた場所に戻して下さい。 3日以内なら親が待ってて、安全地帯に誘導します。
羽が生えてない子、怪我をしている子を見つけたら、動物病院か動物園に連絡して下さい。
 
元気になった子は、早めに放鳥します。放鳥の決断は「飛べるかどうか」が1つの基準ではないかと思います。
当院で保護している小鈴も正宗も、飛べないので放鳥を断念しましたが、飛べるようになった野鳥は元の場所に多数放鳥しています。
 
保護するためには知識と設備と人手も必要です。
鳥は種類が多く、肉食・雑食・草食・海草食など様々です。とりあえず「小鳥の餌」を与えておけば良い、というものではありません。
小鳥屋さんに聞いたりネットで調べて育ててきたけれど、徐々に足が曲がり羽がボロボロになってしまい、重度の栄養障害を起こして来院する子も少なくありません。
親がいない子は、ご飯探しのトレーニングが必要ですし、渡り鳥には一緒に飛ぶ仲間も必要です。
 
タレントさんの場合、最初から保護が必要だった子か微妙ですが、あそこまで人に慣れてしまうと放鳥しても人を頼って近づいてしまうのではないかと心配です。
あの子はこれからどうなるんだろう。どうすればいいんだろう。
ご意見がある方は、ぜひメールを下さい。
 
ホワイトデーですね。
院長が恥ずかしそうにスタッフたちにお返しを配っていました(笑)。
今夜はセミナーです。お疲れ様!

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